3.本を読む

うまく読むコツ

マークを書き込みながら読む

本はただ読むだけでは、一度に感想文に必要な内容を読み取ることはできません。
ですから、本には線を引いたり、マークを付けながら読んでいくと感想文を書くときにその箇所に戻ってくることができます。
図書館や人から借りた本には書き込みができませんので(感想文を書くための本は是非買うべきだと思います)、その場合は付箋紙を付けておいて、後からはがしてください。

後から感想文を書くために必要となるのは以下の様な部分です。
感情 マーク
面白かったところ
感動したこと
疑問に思ったこと
新たに気がついたこと、発見したこと
驚いたこと
作者の考えに共感したところ

「要点まとめシート」を記入する

「要点まとめシート」とは読書感想文を書くに、必要な内容を各項目ごとに書いていくための書式です。
本をきちんと読んでおかないと、このシートを埋めることができません。
逆に、このシートを十分に埋めることが出来れば、そこに書いた内容から文を組み上げていけば、簡単に感想文を書き上げることができますよ。

「なぜ?」をキーワードに読んでみる

「なぜ?」は読書感想文を書く上で、魔法の言葉です。
基本的に本は新たな知識などを得るために読むものです。
ですから、そこには自分にとって、いくつかの新たな発見や気付きが書かれているはずです。
新たな発見には、すんなりと受け入れる一方で、新たな疑問が生じることが少なくありません。
「じゃあ、○○はどうなの?」、といった感じです。
また、新たな発見に対して、「本当?」という疑問もあるかと思います。
これらの新たな疑問も大切な感想の1つです。
感想にはその理由がペアで必要ですので、ここでもその疑問を思い付いた自分の理由を書きましょう。

なぜ、その本が課題図書に選ばれたのかを考えてみよう

課題図書の本を選んだ人へのアドバイスです。
課題図書は感想文コンクールの主催者が数多くある本の中から、それぞれの学年層に対して指定します。
読みやすいか?、感想文が書きやすいか?、はそれぞれの本により異なるでしょうし、読み手側の力量や適性にもよるでしょう。
ポイントは主催者として多くの人にこの本を読んで欲しいと願っていることで、さらに深く考えて、その考えをまとめて、感想文を書いて欲しいと願っているわけです。
ですから、なぜその本が課題図書に選ばれたのか?、どんなところを読んで欲しいと思って、この本を選んだかを考えることは、より良い感想文への近道になるはずです。

主人公以外の視点で読んでみたら

本は主人公に感情移入しながら読むことが多くなりがちです。
そのため、感想文も主人公の立場や主人公を中心とした見方をした書き方になります。
しかし、物語の展開に重要な人物が必ず存在しているはずです。
例えば、「蜘蛛の糸」では、お釈迦様。「走れメロス」では、友人のセリヌンティウス、暴君のディオニス。
登場人物それぞれにそれぞれの考えや主張があって、それが自分の考えと同じなのか、違っているのか?、それを理由とあわせて書いてみてはどうですか?。


最も重要なポイント

結局、作者は何を言いたかったのだろうか?

本は書いた人が何らかの思いを読み手に伝えたくて書くものです。
その思いを正しく読み取れているのかが、良い感想文を書く上で重要です。
作者の主張を正しく読み取っているかということは、その感想文を評価する立場からすれば、大きな評価ポイントとなります。
作者が最も言いたかったことは、ほとんどの場合、その本をクライマックスに登場します。
その作者の主張を読み取った上で、それに対する自分の感想や考えを書いていくわけです。
感想文の中心ともなる部分でもあります。

上級テクニック

気持ちが変化したタイミングを見極める

これはやや上級テクニックです。
登場人物(主人公に限らず)の気持ちが変化するタイミングがあったとしたら、それがいつなのか?、何がその変化の原因か?、それに対してあなたはどう思ったのかを書き出してみましょう。

仕掛けを探す楽しみ

一般的に、小説は起・承・転・結の構成を取ることが多いです。
山場の多くは「転」の部分で展開されています。
しかし、「転」で面白さを増すための仕掛けや「結」でそれまで散らかっていた話がピタリと収まるための仕掛けの多くは「承」の部分に、しかもさりげなく書かれていたりします。
それを見つけたことを感想文に書くことは、深く読み込んでいる、としてその読み手には好印象を与えます。